
Primitive Interaction Design
デザイナー / ディレクター
福島県に生まれる。2018年よりオークランド工科大学(AUT)にてインタラクションおよびインダストリアルデザイン上級講師。京都工芸繊維大学デザイン学科卒業後、ケンウッド(現JVCケンウッド)に入社し、音響機器や通信システム機器のデザインに従事。スイス連邦イノベーションプロジェクトやEUのAmbient Assisted Living(AAL)共同プロジェクト、ミラノを拠点とするデザイナーの細江 功氏とのコラボレーションなど、幅広い分野でデザイン活動を展開。
民間企業および学術分野において30年以上の経験を持ち、2冊の著書、多数の学術論文を執筆し、学会発表を行っている。2017年まで南オーストラリア大学にてプロダクトイノベーションデザイン上級講師。また、チューリッヒ大学神経学・リハビリテーショングループのポストドクター研究員として、ウェアラブルセンサーを用いた治療・評価ソリューションの開発に貢献。スウェーデン・ウメオ大学にて情報学博士号、米国イリノイ工科大学にてデザイン修士号を取得。
専門はヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)。2025年、Crescent Maya Designを設立し、インタラクションデザイン、プロダクトデザイン、UXデザインなど、多岐にわたる分野で活動。また自身の経験をもとに、デザイン系大学の留学進路相談など積極的に行なっている。
Crescent Maya Designは、2025年に新しく設立されたデザイン会社です。その名称には、深い意味と哲学が込められています。マヤ文明において、三日月は再生、成長、変化の象徴とされていました。この概念は、Crescent Maya Designの希望や新たなスタートを表現しています。会社名に「Crescent(三日月)」を冠することで、常に進化し続ける姿勢を示しています。
一方、「Maya」という言葉には、大乗仏教の重要な概念が反映されています。「マーヤ」(Maya)は、すべての現象が「空(くう)」であり、実体を持たないという考えを指します。つまり、世界の物事の性質や意味、理解は絶対的なものではなく、周囲との関係性の中でのみ決定されるという深遠な思想を表しています。この哲学は、Crescent Maya Designのデザインアプローチにも通じるものがあります。固定観念にとらわれず、常に新しい視点から物事を見つめ、周囲との関係性を重視したデザインを生み出すという会社の理念が、その名称に巧みに込められているのです。Crescent Maya Designは、マヤ文明の知恵と仏教思想の深さを融合させ、革新的かつ思慮深いデザインを提供することを目指しています。
CMDのアプローチは経験主義を基盤とし、主観的な人間の経験の中での気づき、感情、記憶を呼び起こすデザインに焦点を当てています。
「日常生活の主観的経験に焦点を当てた経験主義的アプローチ」
この考え方は、これまでのデザインの見方に異議を唱えています。今までのデザインは、科学的な方法や客観的エビデンスを重視し、日常生活での主観的分脈から離れてしまうことがよくありました。この経験主義的視点は、そういった従来の偏ったアプローチに対しての問いです。
物理的な身体と外部の問題解決のみに焦点を当てる機械論的なデザイン観は、人間の経験の認知的および内的側面を無視しているのではないか。結果として、これは科学的厳密さと人間の経験の理解の間に誤った二分法を生み出します。デザインが真に人間中心であるためには、科学的アプローチと経験主義的アプローチの両方を統合し、バランスを取りながら人間のニーズを全体的に扱う必要があります。これは、科学、創造性、人間理解の要素を組み合わせて、主観的経験における気づき、感情、記憶を喚起するデザインを意味します。科学的方法と経験主義的理解の間のギャップを埋めることで、人間中心設計は人間のニーズと経験の複雑さに効果的に対応できるのです。
「経験主義:経験はどのように私たちの世界観を形作るのか?」
経験主義とは、私たちが持つすべての考えや知識は、自身の経験から生まれるという考え方です。抽象的な理論や客観的な現実よりも、主観的な体験がより重要であると主張し、そのデザインアプローチは、個々人が直接得た経験を、知識や価値観の主な源泉として重視します。
経験主義がなぜ重要なのでしょうか?
「なぜ経験主義が重要なのか?」
経験重視のデザインは、デザインと私たちを取り巻く世界への理解の両方に、新しい視点をもたらします。すべての知識や理解が自身の経験に由来することを認識することで、デザインと自分自身の両方をより深く探求することができます。a
経験主義、実験主義、そして経験論は、知識を得る上で経験の重要性を強調する関連した哲学的アプローチですが、それぞれに特徴があります。
経験主義は、純粋に合理的で客観的な世界の見方を否定します。
実験主義は実用主義に近く、以下の点に焦点を当てます:
経験論は、より広い認識論的アプローチで、以下のように考えます:
これらの哲学は経験に焦点を当てていますが、それぞれ強調点が異なります:
これらのアプローチは互いに排他的ではなく、科学、哲学、日常の推論への応用でしばしば重なり合います。
CMDのアプローチは経験主義に根ざしており、主観的な人間の経験の中で気づき、感情、記憶を呼び起こすソリューションの創造に焦点を当てています。
このlogoは、CMDの理念と哲学を視覚的に表現し、マヤ文明の知恵と仏教思想の深さを融合させたものです。CMDのlogoデザインには、以下のような理由があります:
Primitive Interaction Design
Human-Experimental Design of Presence in Everyday Blended Reality